僕らが、考えていること全部

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僕らが、考えて
いること全部

髪と紙。

HAIR AND PAPER

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漠とした怒り

かつて「カリスマ美容師」という言葉がもてはやされた時代があった。ファッションの中心地はいつだって東京で、そこでキラキラ輝く美容師。その姿に憧れて、美容師を志した人も多かったと思う。僕もそのひとりだった。

でも、美容師になった僕はふつふつとした怒りを抱えていた。口癖は「美容業界を変える」。恥ずかしいくらい未熟な僕は、そもそも何に怒っているのかすら分からなかった。そのくせ、美容師になってわずか2年で椎間板ヘルニアになって、美容師を辞めることになるなんてね。僕の美容人生は、そんなビッグマウスと挫折からはじまったんだ。

運良く美容業界誌の出版社に拾ってもらった僕は、たくさんの一流美容師に出会った。それはそれは楽しい日々。でも、やっぱり業界誌が追いかけるのは東京の美容師ばかりだった。

奇跡的に腰が治り、僕は出版社を辞めた。東京を離れ、鎌倉で美容師として1からやり直すために。まぁ、またそれから2年でヘルニアが再発して美容師を辞めることになるのだけれど。

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あの頃の僕へ

美容業界と細く繋がりながら、美容文藝誌「髪とアタシ」という雑誌を作った。「メディアには出ない面白き美容師」をテーマに、たくさんの美容師を追いかけた。とんでもない山奥、離島、地球の裏側──。自立と自由を実現している美容師たちの姿に何度も心打たれた。

その後「髪とアタシ」をきっかけに、妻と小さな出版社「アタシ社」を立ち上げ、住まいを三浦半島の最南端「三浦三崎」に移した。「髪とアタシ」の読者だった菅沼さんと運命的に出会い、僕らは三浦三崎で「花暮美容室」を開業した。

行き当たりばったりの笑っちゃうような僕の人生。でも、僕が偶然選び取ってきた「美容」「出版」「ローカル」という選択を重ね合わせてみたら、あの頃の僕がしつこく言っていた「美容業界を変えたい」という言葉の正体がわかった気がしたんだ。

それは「美容師の生き方の選択肢を、もっと多様で豊かなものにしたい」ということだったんじゃないか。正解がひとつしかないのは息苦しい。中心だけではなく、豊かな周縁がある世界のほうがいい。
20年越しの思いに、けりがついた。

「本と美容室」を通して、これからの新しい美容師の生き方を示したい。「美容室」と「書店」を組み合わせる経済合理性もある。

私たちの新しい事業を、どうか見ていてください。

本と美容室、はじまります。

THREE PILLARS

本と美容室3つの柱

PILLARS1

都市で磨いた技術をローカルへ輸出する

都市で磨いた技術を
ローカルへ輸出する

髪を切るために人がやって来る。美容室は、そんな都市からローカルへの新しい人流を生むひとつの装置です。だからこそ、美容師さんの技術にもこだわりたい。

ハサミがあれば、どこにでもいけるから。

ハサミがあれば、どこにでもいけるから。

厳しい競争を超えてきた美容師さんほど、今後の生き方を模索しているのではないでしょうか。本と美容室の1号店に当たる「花暮美容室」の菅沼政斗も、かつてはそんなひとりでした。表参道から三崎へと舞台を移した彼の目にいま、どんな風景が映っているのか。そこにあるのは、未来のあなたの物語かもしれません。

PILLARS2

美容室と書店を一緒に増やしていく

美容室と書店を
一緒に増やしていく

出版社を営む僕らにとって、書店の存続は切実な問題です。収益性の高い美容室と組み合わせることで、息の長い書店運営が可能になる。その閃きから全てが始まりました。

セレクト書店の店主に、街に合わせた選書を。

セレクト書店の店主に、街に合わせた選書を。

どんな街にどんな本が合うのか。どうすれば人と本の幸福な“出会い”を後押しできるのか。それをよく知るのは、全国にある魅力的なセレクト書店の方々です。本と美容室では、選書のプロに力を貸してもらいながら、きちんと利益を還元していける仕組みを構築していきます。出版社と書店が、ともに豊かであるために。

PILLARS3

面白きローカルを舞台に展開する

面白きローカルを
舞台に展開する

受け継がれてきた歴史や文化が、未来を拓く足場となる。僕らはそう考えます。人々が街を大切に育てながら、同時に外に開いてもいる。探しているのはそんなローカルの地です。

“つながり”ごと、美容師さんに受け継いでいく。

“つながり”ごと、美容師さんに受け継いでいく。

僕らと地元を繋いでくれる誰かがいることで、本と美容室は初めて動き出します。新たに出店する真鶴は、まさにそんな土地でした。託されたバトンを大切に、地道に本と美容室を運営していく。そこで外から来た人と地元の人が出会い、思いもしなかった化学反応が起きていく。それが僕らの目指す未来です。

ABOUT US

私たちのこと

「本と美容室」事業代表

ミネシンゴ

ミネシンゴ

1984年生まれ横浜市出身。東京、神奈川で美容師を経験した後、髪書房にて月刊Ocappaの編集者に転身。退社後リクルートでホットペッパービューティーの営業企画を経て出版社アタシ社を設立。現在は三浦市三崎で美容、ローカル、編集を軸に活動している

「本と美容室」技術責任者

菅沼 政斗

菅沼 政斗

1982年生まれ茅ヶ崎市出身。花暮美容室店主。山野美容専門学校卒業後、DADA CuBiCをはじめ数店舗を経て独立。2018年から真鶴町で出張美容師も始め、幅広い年齢層から支持されている。三崎と真鶴を行き来する、美容師の新しい働き方を実践している